Reducing wastewater to zero
Aquafortusは、石油・天然ガス産業や鉱業のような大量の塩を含む廃水を処理する必要がある産業を対象としています。Aquafortusはこれらの廃水を処理できるだけでなく、清浄水を回収・再販して、綿花栽培などへ再利用をすることも可能です。また、廃水からLi、Mg、Ni、Cuなどの金属塩を選択的に抽出することができ、さらにそれらを販売製品とすることが可能です。
Aquafortusは、1バレルあたり最低1.5ドルの費用にて、一定年数の最低契約量の排水を処理するサービスを提供することをビジネスとして想定しております。加えて、清浄水と得られる金属塩を販売することでさらなる収益を得ることができます。
私たちは、持続可能で収益性の高いビジネスを構築しながら、世界の巨大な問題を純粋に解決できる、斬新的な技術を提供できると確信していました。
CEO and Co-Founder Daryl Briggs
COO and Co-Founder Jessica Lam
会社を設立してから、スタッフを雇用し、技術の研究と開発を進め、建物を借り、パイロットプラントを建設、販売パイプラインを埋めることができるよう、資金調達を開始しました。最初の資金調達の後は、3人の技術スタッフからなる小さなチームでしたが、設立から6年経った現在(2022年)では、34人のスタッフを抱える会社へと成長し、米国O&G工場の廃水処理が可能な100 ㎥/日規模プラントを配備しようとしています。
O&G市場への今後20年
O&G業界は現在、環境規制や社会的圧力にさらされており、従来からの業務を改善する必要に迫られています。また、今年(2022年)の原油価格は平均85ドル/バレルと、好況のサイクルを迎えている事もあり、O&G業界としては環境改善技術に投資するための資本が十分にあります。従って、Aquafortusのような競争力ある価格でソリューション提供ができ、環境イメージに貢献できるグリーンテクノロジーにとって、取り組むべき理想的な市場であると考えております。
鉱業市場への今後60年
Aquafortusは、不安定なO&G業界の状態を認識しており、O&Gに対するヘッジとなる鉱業アプリケーションもターゲットにしています。リチウム、ニッケル、銅は、世界が石油燃料の自動車から電気自動車へシフトするにつれて、それら金属の価値は高まり続けると考えられております。Aquafortusは、清浄化した鉱業用水の再販から価値を引き出せるだけでなく、鉱業廃水から貴金属塩を選択的に抽出する事ができ、高いバリューを持つ会社と評価できると信じております。
海水淡水化、自治体、農業への今後
今後5年から10年の間に、都市化と人口集中による水の逼迫に直面し、これまでの歴史的な水利権と放水権が吟味されるようになると考えています。例えば、昨今の深刻な水不足にもかかわらず、水の配給が不公平で人為的に安い価格を維持している米国カリフォルニア州の従来からの水利権も含まれ、沿岸水域への排水や深井戸への圧入が常態化している海水淡水化プラントも含まれる事が想定されます。将来、AquafortusはO&G産業、鉱業、大規模な工業プロセスへの最適な技術・ブランドとして確立し、海水淡水化、自治体、農業への適用も当然の状況となっている事を想定しております。
UMI担当者コメント
当社は、独自の吸着剤・再生剤を用いた高濃度塩廃水処理技術を有し、低コスト・省エネルギーで施設外に廃水を放出しないZero Liquid Discharge(ZLD)を可能とします。従来技術である蒸発/晶析法は多大なエネルギーを要するため、処理コストと環境負荷の点で課題が残っておりました。その点、当社技術は特段のエネルギー投入が不要な温和な処理により、大幅なコスト削減を“うれしさ”として提供し、水資源活用へ大きなインパクトを与える事ができると期待しております。
平井裕士
アソシエイト