リチウムで持続可能な地球環境を次の世代に繋ぐ

LiSTie株式会社

事業概要

リチウムはリチウムイオン電池(LIB)や核融合燃料として必要となる重要鉱物であり、リチウムの安定調達は脱炭素社会の実現に必須となります。国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)では、イオン伝導体からなるリチウム分離膜を使用した超高純度リチウム回収技術(LiSMIC)を開発しました。LiSMICは様々なリチウム源からのリチウム回収に適用可能な技術で、初期ターゲットとして設定するかん水からのリチウム回収では、プロセスを高効率化することが期待できます。そのような状況を踏まえ、工業廃水、塩湖かん水、廃LIB等の様々な産業への適用を目指して、LiSTie社を起業しました。リチウム分離膜を積層したスタックの開発及びスタックを含む20~40フィートコンテナサイズのLiSMICユニットの販売、膜の交換&メンテナンス、プラントシステムの提供を行い、2032年の黒字化を目指してまいります。

マネージメントインタビュー

星野 毅
代表取締役

会社設立まで

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム「START」に採択(2019-2021年度)され、START事業プロモーターユニットのユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社と連携して、LiSMICを塩湖かん水に適用する研究開発を行いました。研究開発終了後は、LiSMICが超高純度リチウムを低コスト回収できる技術であることを立証し、LiSTie社を起業。

設立後の日々

イオン伝導体というセラミックス製の板を特定元素の分離膜とする技術はこれまでなく、約15億円の中小企業イノベーション創出推進基金SBIRを獲得し、責任感とチャレンジ感の両方を抱きながら、スピード感を持って世界初LiSMICの実装に向け、邁進しています。

今後の事業展開

現在のLiSMIC技術で十分狙える、工業廃水、塩湖かん水、廃LIB、リサイクルだけでなく、中性や低リチウム濃度の原液にも適用可能な新しい膜技術や、効率的な回収条件等に関する技術も磨き、鉱石やほぼ無尽蔵のリチウムが含まれる海水からのリチウムへの事業展開も目指してまいります。

UMI担当者コメント

当社起業から支援をしており、取締役兼CSOとして引き続き事業立ち上げ業務を遂行していきます。
当社技術は、高効率にリチウムを抽出する事ができるダイレクトリチウム抽出企業に分類され、リチウム資源を有効活用するという観点から現在世界的に注目を浴びております。将来的には、海水からのリチウム抽出や核融合原料の製造も視野に入れており、持続的社会を構築するために必要な開発が期待されます。

土屋 亮

ディレクター

当社の事業立ち上げから支援しており、CFOとしての役割を担います。今後、事業計画に基づいた設備投資、人員計画を反映させた予算計画、資本政策の策定、運用を行います。
当社は、世界的な脱炭素化社会に対するリチウムイオン電池普及に必要不可欠となるリチウムの増産・リサイクルに貢献し、同時に環境負荷を低減させた処理が可能となります。今後、リチウム製造・精製に関して必要不可欠な技術として世界産業へインパクトを与えることを期待します。

平井 裕士

アソシエイト