優れた安全性と高い機能性で医療用接着剤に新たなソリューションを提供

株式会社ビーエムジー

事業内容

株式会社ビーエムジーは1983年に創業後、国産初の生体吸収性縫合糸用ポリマーを提供するなど、バイオマテリアル分野のパイオニア(生体吸収性材料のさきがけ)として、確かな信頼と実績を築いてきました。そして、積み重ねた医療用高分子材料技術をもとに、新たな医療用接着剤“LYDEX”を開発しました。
医療の現場で用いられている外科用組織接着剤は、生体適合性の観点からヒト血液由来成分が主流ですが、「ウイルス感染リスク」が大きな課題です。
これに対して、LYDEXは、天然物由来高分子材料による「ウイルス感染リスクフリー」な接着剤であり、更に独自技術により「高い接着性」と「優れた生体内分解吸収性」を兼ね備えており、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な接着剤として期待されています。
当社は、LYDEXを外科手術用止血材や肺用シーラント材、癒着防止材などのアプリケーション開発を行い、医療の発展と世界の人々の健康に貢献して参ります。

マネジメントインタビュー

玄 優基
専務取締役

会社設立経緯

玄 丞烋 代表取締役社長

当社の創業者である玄 丞烋(代表取締役社長)は、国立大学京都大学医用高分子研究センターに在籍中の1983(昭和58)年6月に、大企業との共同研究を目的に当社の前身である株式会社バイオマテリアルユニバースを設立しました。その後、京都大学医用高分子研究センターが中心となり、3つの事業会社との間で設立したメディカル材料研究会での生体吸収性縫合糸の実用化開発において、原材料を担当する事業会社が撤退を決断したことから、原材料となる医療用吸収性高分子の製造を行うため、1986(昭和61)年6月に生体吸収性縫合糸用ポリグリコール酸(PGA)の生産を開始しました。

以来、「より良い医療用バイオマテリアル製品の開発に取り組み、医療分野における革新的なソリューションを提供することにより、世界中の人々の健康に貢献する」という企業理念を実現するために、BioDegmer®(生体内分解吸収性ポリマー)領域およびニュープロダクツ領域の2つの成長が期待できる事業領域と、医療分野における革新的ソリューションの提供に向けた研究開発により事業展開を行っています。

設立後の日々

玄 優基 専務取締役

当社は、①生体吸収性縫合糸(マルチフィラメント)から始まり、その後、②生体吸収性骨固定材、③吸収性歯周組織再生用材料、④生体吸収性縫合糸(モノフィラメント)、⑤耐摩耗性に優れた人工関節摺動部材、⑥生体吸収性人工硬膜および⑦義歯床用材料“アクリショット®”といった高分子化学を応用したバイオマテリアル製品を先駆的に開発し、パートナー企業とともに世に送り出してきた日本では数少ないバイオベンチャーの1つです。
大学での基礎研究に留まらず、アプライドサイエンスを実現し続けてきた、この稀有なベンチャーは、十数年前からウイルス感染フリーな医療用接着剤“LYDEXⓇ”の開発にチャレンジしています。

医療機器の開発期間は10年~15年と長く、「死の谷」を超えて事業化へとたどり着くためには、資源調達や法規制の障壁を超えていく必要がありますが、ベンチャー1社だけでは息が続かず、本当に色々な方々のご支援により、「死の谷」に虹の架け橋がかかり、次のステージが見えるところまできました。
このエッジの効いたLYDEX技術を確実に事業化し、医療の世界にイノベーションを起こすため、大成百難に撓まず、勇往邁進する創業者と事業を支えてくれているメンバーとともに日々鋭意努めています。

今後の事業展開

創業から“生体吸収性材料のさきがけ”として積み上げてきた創造性・専門性・信頼性を基盤とし、医療用接着剤“LYDEX”を主とする次世代の医療分野における技術の向上と早期の実用化により、さらなる成長を目指して参ります。

UMI担当者コメント

投資後の支援に従事し、知財戦略や海外マーケティング戦略の立案を担当しております。
当社のLydexは医療量接着剤として優れた能力が認められ、既にいくつかの海外市場に展開しております。より多くの患者さんに本製品が提供できるよう、様々な形態で本製品を適用した新規医療機器としての許認可について支援を行っております。

沈相勲

アソシエイト