投資先ベンチャー インタビュー
Allied Carbon Solutions株式会社
営業部 シニアマネージャー 博士(農学)
杉本 直久 氏
博士号取得後、新潟大学で助教授として微生物を活用したオリゴ糖生産の研究を行っていました。その後、ベンチャー企業でバイオエタノール製造の研究開発を経て、地産地消のモノづくりの重要度を確信し、国産原料を用いた純国産石鹸の研究開発を行い、化粧品製造販売事業を立ち上げました。
そんな中、以前より親交のあったAllied Carbon Solutions(以下、ACS)の廣田から紹介された「微生物が作る100%自然由来の天然界面活性剤(バイオサーファクタント)」に感銘を受けました。この製品は私が行なってきている石鹸事業とも親和性が高く、ACSが目指す環境保全や持続可能な資源活用による循環型社会へ向けた取り組みにも共感したため、これまでの経験を最大限活かそうと入社を決意しました。
入社より数年が経過し、世界のモノづくりが石油由来からSDGs対応の持続可能な原料への転換が進む中で、化学合成を用いないACSの天然界面活性剤「ソホロリピッド」は、その多機能性と環境負荷の低さから、需要が急速に拡大していることを実感しています。
「ソホロリピッド」は植物油と糖を原料として、酵母による発酵で生産されます。ACSのソホロリピッドは優れた乳化力だけでなく、抗菌作用も持つため、シャンプーや化粧品、洗剤はもちろん、農業や畜産業といった幅広い産業分野での活用が可能です。ACSでは、特に畜産業、主に養鶏業への利用に注力しています。
実際にいくつもの養鶏農家の方にソホロリピッドを使ってもらっており、乳化力による油脂や栄養成分などの吸収促進で「飼料効率の向上」や、抗菌作用による「死亡率の低下」や、グラム陽性菌による「疾患からの早期回復」が実証データとして取得できています。これらのデータは、飼料コストの高騰や疾病リスクといった世界中の畜産業界が抱える課題に大きく貢献できるものと考えています。特に夏場のヒートストレスに強いという事もわかってきています。
私は技術営業として、これらの実証データをもとに国内外の企業にソホロリピッドの特性や優位性などを説明し、具体的な導入計画を提案しています。時には営業先から新たな用途についてアイデアを受け、それを技術チームと共に検証するなど、柔軟な対応を行なっています。
また、ACSの「地産地消」の製造モデルも特徴的です。現地原料を活用してその地で製造を行う仕組みは、環境負荷を抑えると同時に効率的な供給を可能にします。
すでに養鶏業が盛んなインド国内でソホロリピッドの製造を行なっており、現地での実証試験でも飼料効率の大幅な改善や死亡率の低下が確認されています。今後は、インド支社との連携を強化しながら、さらなる海外市場の開拓に挑んでいきます。
ACSは、営業部・技術部・役職問わず、意見を交換しやすい風通しの良い環境が魅力です。私も市場開拓に向けた企画提案やアプリケーション開発などに積極的に挑戦できています。
技術部では、用途に応じた製品開発を研究員が日々進めてくれています。特に畜産分野での研究は世界的に先進的で、多くの実証データがACSに蓄積されてきていますが、新たな可能性を引き出すための研究開発も継続して行なっています。
微生物が作るバイオサーファクタントの研究は、環境や人体に優しい製品開発に繋がるため、これからますます需要が高まっていきます。ACSでは、ソホロリピッドの普及のみならず、産官学連携で開催されている「バイオサーファクタント勉強会」を通じて、バイオサーファクタント業界全体の発展も目指しています。
ACSは今後も、畜産業界をはじめ様々な産業分野で未来を切り拓く事業を展開していきます。世界を相手に挑戦したい方、ぜひ一緒にソホロリピッドでサステナブルな未来を実現しましょう!