日本の素材・化学業界の発展への貢献を目指すベンチャーキャピタルであるユニバーサルマテリアルズインキュベーター株式会社(以下、当社という)は、日本版スチュワードシップ・コードの趣旨に賛同し、この受け入れを表明いたします。

対象とする資産

本ポリシー及び各種ガイドラインは、当社が投資対象とする資産であるプライベートエクイティに対して適用するものとします。

日本版スチュワードシップ・コードの各原則に対する当社の考え方

原則1機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、「優れた素材・化学企業の育成を通して、日本の技術力を強化し、世界に通用する産業構造を醸成する」というビジョンのもと、優れた技術・技術者の発掘、リスクマネーの提供や適切な経営支援、新たな産業構造の構築など、我が国の素材・化学産業の発展に資する投資を推進いたします。

投資戦略といたしましては、普遍的な特性を持ち10年後に素材・化学産業が新規事業として取り組めるようなテーマに取り組み、特に素材・化学産業の事業化においてハードルの高いStage2~3(製品開発から生産技術ステージ)の支援に注力した投資活動を行います。投資後は、積極的に大企業や業界の壁を幅広い連携を行い、確実な事業運営面サポートを実施いたします。

当社は、日本版スチュワードシップ・コードのもと、ビジョンの実現に向けて、この投資戦略により投資先企業の価値向上や持続的成長を促すことで、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的とした「スチュワードシップ責任」を果たすとともに、特に環境課題への優先的な取り組みを通じて社会のサステナブルな成長に貢献いたします。

原則2機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき 利益相反について、 明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、当社の運営するファンドとの利益相反を回避するために、原則自己勘定による投資を行いません。また、当社が運営する複数のファンド間での取引は原則行いません。例外として取引を行う場合は、適用法令及びファンドの契約(投資事業有限責任組合契約)を遵守し、利益相反回避策についてファンド出資者に説明した上でその承認を得るなど、透明性の高い適切なプロセスを経て関係者間の公平性を確保いたします。

原則3機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

当社は、投資前に法務・会計・税務・知財やビジネスにかかる適切なデューディリジェンスを行い、投資先候補企業の状況の把握に努めます。その資本政策や事業計画について投資先候補企業の経営陣と対話をし、時には一緒に策定し、相互理解のもとに投資を行います。投資後は、取締役派遣や重要な会議への出席、現場従業員への支援等を通じて、投資先企業の状況を的確に把握いたします。

原則4機関投資家は、投資先企業との建設的な 「目的を持った対話」 を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、 問題の改善に努めるべきである。

当社は、投資先企業の事業や経営に関わる課題やリスク、サステナビリティの関する課題やリスクを共有し、二人三脚でそれらの解決に取り組むために、投資先企業の経営陣や従業員と真摯で率直な対話を行います。それらの対話をもとに企業の成長ステージに応じた事業支援を行うことで、投資先の企業価値向上を図ります。いかなる対話や支援を行っても、投資先企業が問題の改善に消極的な場合、他の株主と対話の上協働して、投資先企業に行動を促します。

原則5機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

当社は、投資先企業との対話を積み重ねたうえで、投資先企業からの提案が、投資先企業の持続的成長に繋がり、ファンド出資者の中長期的リターンに資するか否かという観点から慎重に判断し、議決権を行使いたします。リソースが不足している投資先企業に対しては、取締役会や株主総会の運営自体を支援し、株主に対して適切な提案が行えるようサポートいたします。未上場企業を投資対象としているため、議決権行使の結果については公表を控えさせていただきます。

原則6機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

当社は、レポートの送付や年次出資者集会等により、ファンドの運用状況や投資先企業の業績及び見通し並びにESGへの取り組みに関する定期的な報告をファンド出資者に対して実施しております。当社のスチュワードシップ活動についても、これらの機会を通じて適宜報告しております。

原則7機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

当社では、各役職員がその専門性を活かして、投資先企業の支援に当たっています。役職員に対し、新しい事業分野・成長市場に対しても日々洞察を深められるよう、体系化された研修を提供しています。役職員は、実践に即した研修の受講によって、リスクと機会を適切に見極める力やよりよい成長を促す戦略実行力を磨くとともに、実際に投資先企業の事業や経営に関与する経験を重ねることで、企業及び事業への理解を深め、投資先企業のその価値向上に資する支援を実施するよう努めています。

さらに、こうして培った知見を組織的に共有・蓄積することで、役職員のより効果的なスキルアップを通じて、投資先企業のサステナビリティにかかる課題解決や持続的な成長支援を行う体制を構築いたします。

なお、日本版スチュワードシップ・コードの各原則(指針を含む)の実施状況の自己評価については、投資先企業の大多数が未上場企業であることから、公表を控えさせていただきます。

原則8機関投資家向けサービス提供者は、 機関投資家がスチュワードシップ責任を果たすに当たり、適切にサービスを提供し、インベストメント・チェーン全体の機能向上に資するものとなるよう努めるべきである。

当社は機関投資家向けサービス提供者ではないため、本原則は当社には適用されません。

2024年7月1日 策定